【短編小説1-1】幼児向け童話「おばあちゃん と えんまだいおう」  

童話

【短編 幼児向け童話 「おばあちゃん と えんまだいおう」】

 

おばあちゃんは いつも ねんねのじかんに ほんを よんでくれる

きょうも いつもみたいに よんでくれて 

そのあと でんとうのすいっちを けしてくれて

 

さあ ねんねしようね

でも ねむれない

きょう おひるま うそをついた

みんなが うそついたら 

よる「じごくの えんまさま」がきて「したをぬくぞ」といってた

ぼくは うそをつかないから だいじょうぶ

 

でも きょう はじめてうそをついた

めを とじると「えんまさま」が 

こわいかおして ぼくのことをみている

やっぱりねむれない こわくなってきて ないちゃった

 

おばあちゃんが 「どうしたの」ってきいてくれた

ぼくは おともだちにうそをついちゃった

こんや「えんまさま」が したを ぬきにくるよって

  

おばあちゃんは にっこりして ぼくにいった

うそはわるいことだね 

いまから おともだちにあやまりにいこうね

 

それから いっしょに あやまりにいった

おともだちは 「いいよ」って ゆるしてくれた

おばあちゃんは ぼくのほうをみて またにっこりしてくれた

ぼくも そのかおをみて 

なんとなく あんしんして また ないちゃった

でも すぐに ぼくも いっしょに にっこりになれた 

おばあちゃん ありがとう

 

【エピソードタイトル「おばあちゃん と えんまだいおう」について】

いつも私の気持ちに寄り添ってくれたおばあちゃん。

優しい笑顔に心が救われた幼い日の思い出。

これは、私が幼稚園の頃、生まれて初めての「うそ」をついてしまった時の話です。

当時「うそをついたら、夜、閻魔大王が舌を抜きにくるぞ」と周りの大人に言われていて、私は本当に信じていました。(閻魔大王‥地獄の王様 子供にとっては怖い対象)

うちは両親が共働きで、夜の寝かしつけは、おばあちゃんがいつもやってくれていました。

その夜も、いつもの様に本を読んでくれて、その後、電灯が消えて暗くなり目を閉じると、閻魔大王の怖い顔が目の前に浮かんできて、急に怖くなって泣いてしまいました

その時、おばあちゃんは優しい笑顔で「どうしたの」聞いてくれて、私は、今日あった出来事と閻魔様の話をしました。

おばあちゃんは「うそは悪いことだね。いまから謝りに行こう」と言って、

すぐにお友達の家に連絡をしてくれて、一緒に謝りに行きました。

お友達はうそを許してくれて、そうしたら、おばあちゃんがまた私ににっこりしてくれました。

その顔を見て、私も急に安心してもう一度泣き出して、その後一緒ににっこりした事を覚えています。

      

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